金融業界では大口顧客とそれ以外の小口の顧客との違いが歴然と存在しているため、CRMが日本に輸入された割と早い段階から大手を中心に導入されていました。

そのため他の業界と比較すると業界全体でかなり活用できていて利益にもつながっているようですが、それでもやはり顧客インサイトに関しては不十分と言えるでしょう。

確かに銀行をはじめとした金融機関の場合、顧客の多くについては深く情報を探り蓄積できないかも知れません。しかし、各顧客の出入金のデータなどをもとに積極的にアプローチをはかり金融サービスなどの提案を行う、といった戦略は、顧客の「金の動き」が見られるだけに可能です。

今後もこの業界のCRM活用の幅は広がってゆくことが期待されますが、その中で今までウィークポイントだった顧客情報収集とその個別の活用法の模索が課題となるでしょう。